東京国分寺ロータリークラブ
多摩中グループ 国際ロータリー第2750地区

第2559回 例会報告(9月10日)

2019年9月20日

第2559回(9月10日)

会場:多摩信用金庫国分寺支店3階

本日の司会:池田SAA副委員長

お客様紹介:照木会長

○馬越 裕子様(東京あけぼのRC 会長)
○南條  勉様(東京あけぼのRC 副幹事)
○浅見 真理様(青少年交換派遣生 ご家族)
○浅見 美佑様(2016-17年度 青少年交換派遣生)

会長の時間:照木会長

9月は基本的教育と識字率月間で、9月8日は国際識字デーのため、今日は識字についてお話しいたします。識字とは15歳以上、日常生活で必要な読み書きと計算できる能力を言います。世界人口77億人の内、10%の7億8100万人が非識字者です。原因は①貧困、差別、紛争により学校へ行けない。②国により男子だけが教育される。③公用語による教育で、少数民族排除等。どのような影響があるのでしょうか。例①カンボジアの田舎で子供が倒れたが、母親はドクターから指示されたメモを読むことが出来ない、子供の死亡率が高い。例②契約書を読むことが出来ず、土地をだまし取られたり娘を売られたり。例③正しい農業に関する知識が得られず、低収入、病気、貧困、学校へ行けない等、貧困の悪循環が続きます。各国の識字率は、日本・先進国が99%以上、タイ98%、ベトナム94%、インドネシア95%、フィリピン97%、カンボジア74%、ミャンマー90%(寺院が教えている、100万人のロヒンギャは員数外)中国は96%だが1億人は非識字者、ラオス68%、ネパール68%、アフガン38%、パキスタン55%、バングラデッシュ58%、インド63%、最下位はスーダン27%。驚くべきことは江戸時代の幕末、日本は世界No1の識字率でした。70%で武士は100%、町民男50%、町民女20%。江戸では1500カ所の寺子屋があり武士も町民も7歳から学びました。同時期、産業革命のイギリスは僅か20%、下層階級は10%。フランスは10%以下。ロシアからのロシア正教神父のニコライの記述では、日本では女召使が手紙のやり取りを行い、ボロを纏った肉体労働者も読み書きができるとあり、黒船のペリー総督も驚愕し、日本人の識字率は高く、論語を諳んじ、並外れた好奇心があると記述がありました。この識字率の高さは中国で考案された製紙法が日本に伝わり、早くから紙を作ることができたことも要因の一つです。現在、日本でも大きな問題があります。中学3年生の15%がひらがな、カタカナを読めますが理解することができません。又漢字も書けません。これを機能的非識字と言います。この状態は、日本語を母国語としない外国ルーツの子供・若者が直面する困難とよく似ています。また国、自治体から生活保護を受けている児童は公立校155万人の内16%。他、隠れ貧困も多いです。中学での不登校生徒数は11万人(30人に一人)、予備不登校生徒は33万人(10人に一人)、また15~39歳までの引きこもりは54万人、40~64歳までは61万人。かなりの経済的損失であり、国全体で解決しなければならない課題です。

幹事報告:井口幹事

①九州北部豪雨被災者救援金のお願い
②多摩中ゴルフ大会 参加希望者は事務局迄
③メークアップに関する細則変更に関して
 理事会にて承認は頂いておりますので、今年は従来通りの前後2週間のルール適用
④9月17日・24日 公的休会
⑤10月1日(火) 例会 理事会 クラブ協議会
⑥10月12日(土) 例会

委員会報告

◇青少年派遣カウンセラー 藤岡会員

2018-19年度派遣性帰国報告会に鳥居会員と参加いたしました。原拓海君の発表は素晴らしかったです。国分寺RCでは11月に報告会を行う予定ですので、皆様是非ご参加下さい。

出席報告:田中委員

会員数:34名 免除:5名  メーキャップ済:0名 欠席:2名 出席率:93.1%
≪前々回の訂正≫メーキャップ済:4名 欠席:0名 出席率:87.1%→100%

ニコニコボックス:田中委員

照木会長・井口幹事:東京あけぼのRC会長馬越裕子様、副幹事南條勉様卓話よろしくお願い致します。楽しみにしておりました。浅見真理様、美佑様ようこそおいで頂きました。ゆっくりおくつろぎ下さい。ニコニコです。中村会員:馬越様の卓話楽しみにしています。浅見真理、美佑と拝聴させて頂きます。岡田会員:本日は東京あけぼのRC会長馬越裕子様を卓話講師にお招きしての卓話例会となります。皆様宜しくお願い致します。また同期幹事となる東京あけぼのRCの南條勉様、今後とも末永く宜しくお願い致します。ニコニコします。

卓話

◇卓話講師紹介:プログラム委員会 萩原副委員長

新一万円札の顔となる渋沢栄一の著書「論語と算盤」で、真逆の物が大事というお話があります。投資というのは、お金を稼ぐというものだけではなく、社会に対してどう投資していくかということで、渋沢のマインドを強く受け継がれている子孫の方の投資信託会社にお勤めです。青少年交換留学生でブラジルのサンパウロに派遣されていたというバックグラウンドを頭においてお聞きいただければと思います。

◇東京あけぼのRC 会長 馬越 裕子様 テーマ『青少年育成(未来への投資)』

投資信託会社で寄付の仕組みを担当しております。金融というのは、社会にお金を循環させていくようにするものであり、どこかにお金が滞るというのは、血液がどこかに溜まっているような不健康な社会を作り出していくということではないかと考え、より良い社会を生み出していく企業に投資がしたい。また、営利的な事業ではないにしても社会課題に取り組む人たちに対し、お金を流していく事も、金融として大事な役目ではないかということで、信託報酬の1%程度に相当する金額を寄付することを創業当時から行なっております。初めからこのような寄付の仕事をしていたのではなく、海外の環境問題などをテーマにしたドキュメンタリーの制作に携わっておりました。青少年交換プログラムでブラジルに派遣されたことをプロフィールに載せるからか、アフリカやガラパゴスなど、過酷な現場も多く経験しました。長男が小学校入学と同時に専業主婦になりました。「お母さん」になりますと、見えていなかったことが見えて来ることがありました。そんな時に思い出したのは、青少年委員長の方の言葉です。私が「女の子に投資しても、主婦になったら、無駄ではないか」と質問したところ、「もしあなたが仕事をしていなかったら、あなたは子育てをしているでしょう。きっとあなたたちの子育ては違っているでしょう。」とおっしゃってくださりました。ブラジルで複数の家庭を経験させていただいたことで、自分自身の家庭作りに対するチャレンジ精神が生まれ、自分の子どもを外交的に育てようと思いました。息子は青少年交換プログラムでメキシコへ派遣されました。そして私は、自分と息子の青少年交換プログラム時代にお世話になった先輩にお声をかけて頂き、ロータリアンになりました。
東京あけぼのRCでは、「子供とグローバル」がテーマです。次世代に対して何かできることはないか、と考えるメンバーが多くいるのも、ロータリーに人生を変えていただいた経験がある者が多いからです。親でもない方々から自分の人生変えていただいた経験があり、そしてたった一つの経験がその後の将来を導いてくれることは、ロータリーだからできることではないかと思います。特に貧困家庭の子どもたちに何かできることはないかと思い、児童養護施設に出向き、一緒に遊んだり、ディズニーランドやキッザニアに連れて行ったりしました。お金がないクラブなので、体を動かすことが多かったのですが、今年のチャレンジとして、「3keys(スリーキーズ)」という児童養護支援の学習支援から活動を始めた団体と共催イベントを開催しました。日本の子供たちはかなり深刻な状況で、地道な活動だけでは打破できないことがあり、できるだけ多くの方にイベントに来て頂きたいというお話を伺い、挑戦いたしました。裏テーマとしては、RCを周知して、もっと必要な人たちの助けになることができるように、そして思いがある方々にはRCの仲間になって頂けるように、という考えがありました。普段はRCとは接点のない人々に対し、プレゼンスを高めるためにも、「東京あけぼのRC共催」としっかりいれていただき、このイベントを開催することが出来ました。RCの良いところと実感しましたのは、他クラブの先輩方も足を運んでくださり、快く協力してくださいました。そしてさらに挑戦が続き、私たちは今年、初めてホストクラブになることができました。
積み上げてきた世界に留まっていることは、簡単なことかもしれませんが、コンフォートゾーンを抜け出すと新たな気づきがあります。それはロータリーの世界で特に感じることでもあります。ブラジルと日本は地球の反対側同士で、相容れないかというと、そうではなく、とても通じる部分があります。私の上司の渋澤がよく言うことで、「か」と「と」の話しがあります。「どちらか良いか」の「か」の場合、スピードを求めているときは、「か」に有効性が非常にあります。しかし、「と」という場合は、とてもバランスが難しくなります。新しい手立てを生み出さなければ、「と」は成り立たちません。その新しい何かが、次の未来を生み出すというのです。「コンフォートゾーンを抜け出す」ということはそういうことではないかと思います。
人生を変えてくれたロータリーに対して、いつか恩返しをしたいという思いがずっとありました。どこかの誰かがこの青少年交換プログラムを引き継いでくれる、と思い続けたら、いつかはなくなってしまうかもしません。なくなってからでは遅いと思うのです。ロータリーの「次世代の未来をかえる力」を引き継ぎたいと思って、ロータリアンになることを挑戦し、会長に挑戦し、今の私があります。東京あけぼのRCは、22名と少数で、力不足の部分もたくさんあります。しかし、ロータリーが持っている素晴らしさを身をもって経験した者たちが集まっており、是非とも次世代につないで行きたいと思っています。色々な意味で先輩方の経験やお知恵を伺いたいと思っております。そして私たちは、私たちなりに頑張って、ロータリーの仲間を増やして行きたいと思います。

◇謝辞:照木会長