東京国分寺ロータリークラブ
多摩中グループ 国際ロータリー第2750地区

第2689回 例会報告(3月12日)

2024年3月14日

第2689回(3月12日)

場所:多摩信用金庫国分寺支店3階

司会:五月女SAA委員

お客様紹介:岡田会長

〇齊藤 裕之 様  (多摩信用金庫 専務理事)
〇清田 舞 様   (ロータリー青少年交換プログラム 2024-25年度 交換派遣生)

会長の時間:岡田会長


お客様のご紹介を行わせていただきます。本日の例会で卓話の講師をお願いしております、多摩信用金庫専務理事 齊藤裕之様、ロータリー青少年交換プログラム2024-25年度交換派遣生 清田舞様、本日はご来会賜りありがとうございます。会を代表して厚く御礼申し上げます。
本日の例会は齊藤様による「特殊詐欺被害の現状について」の卓話となります。特殊詐欺被害は年々形を変え、撲滅されることなく、今でも多大な被害額と多数の被害者の方がいる状況です。少しでも今日の卓話を経て、ご自身は勿論、ご家族ご親族、お近くの方への普及活動にあとひとつ気を配っていただけたらと思います。
さて、本日の例会の司会ですが、先週の理事会にて退会が承認されました五月女会員です。ご本人のご意思というよりは会社の決定事項での退会となること、非常に残念に思います。ご本人とお話させていただいた時に仰っていた、ロータリーへの参加が楽しくなってきたというお話を大変うれしく思いましたし、今東京国分寺RCが良い方向へ向かって進んでいるのだなと実感することができました。この先の五月女会員の益々のご発展をご祈念し、またいつか何かご一緒できることをご期待いたしております。
3月も半ばに入りました。3月の通常例会は2回しかございません。2月の例会も通常例会は1回しかなく、なかなか会員の皆様とゆっくり日常の会話を楽しむ機会が少なく、日々の出来事を報告しあえる機会が少ないことは、かなり寂しく思います。こうして、皆様とお会いして日常の会話をする機会が少ないことを寂しく思う気持ち、いつしかこのように思うようになっている自分に少し驚きを感じます。毎週火曜日の決まった時間に集まり、顔を合わせ、昼食をとり、他愛のない話をしながら例会の時間を迎えること。入会当初は少し面倒だなと思っていたのに、今は自クラブの会員の皆様の顔を拝見するとホッとする自分が居ます。
2024年1月1日現在の日本の人口はおよそ1億2,409万人だそうです。その中の44人が東京国分寺RCに所属しています。ふと考えてみると、今この時期に、この会員が同じ釜の食事をとること自体が奇跡に近いことだなと、改めて感慨深く思いました。
当クラブにいらっしゃる企業会員の方々と知り合えたことも奇跡だと思います。何千人、何万人も所属している企業の中のお一人の方と出会い、同じクラブの仲間として過ごしていること、本当にすごいことだと思います。この出会いに感謝すること、この奇跡を改めて考えてみること、その一つ一つにはきっと意味があり、もしかすると、見えない力に導かれ、出会うべくして出会えているのかもしれない、と考えると、週1回の例会も大切なかけがえのない時間になると思いました。
3月は年度終わりの時期です。1年の終わりで新年度を迎える大切な準備の時期で、出会いと別れを迎える時期でもあるので、少し感傷的なお話となりましたが、本日も皆様の元気そうなお姿を拝見できた喜びと、例会にご出席いただきました皆様に改めてお礼を申し上げ、会長の時間とさせていただきます。

幹事報告:小林幹事


本日は多摩信用金庫専務理事の齊藤裕之様に特殊詐欺被害の現状について卓話をしていただきます。よろしくお願いいたします。
来週19日はRI規定祝日週で休会となります。
26日は国立白うめRCとの観桜例会となります。
主な行事予定としまして、3月11日に2024-25年度第2回PETSに井口会長エレクト、中村早苗会員が出席いたしました。
12日に今年度最後の第6回炉辺会合が開催されます。
28日に2023-24年度第11回多摩中グループ協議会が会長、幹事で出席いたします。

委員会報告

米山奨学・国際奉仕・クラブ特別基金委員会:照木委員長


2月6(火)、お茶の水ソラシティーで 2023-24年度第2回地区ロータリー財団セミナーが開催され、後日、Youtubeで配信されました。(2時間20分)
ロータリー財団の基本的プログラムは以下のとおりです。
①ポリオプラスプログラム
②ロータリー奨学生プログラム③補助金プログラム 他、世界の環境問題も報告されました。今日はポリオに特化して報告します。
【宮崎ガバナーのメッセージ2点】
①4月12日(金)東京駅前のコットンクラブでポリオ根絶チャリティーコンサートを開催。会費は12,000円で、内2,000円は寄付。
②昨年、新潟から自転車で東京まで走ったが、走り足りないため、4月28日(日)大阪から東京まで520kmを30時間で走破する。
【ポリオについて】
①人から人へ感染
②ウイルスは野生株と人工的に作られたワクチン株
③治療法はなく、ワクチンによる予防のみ。
過去、毎年35万人発症。1979年、ロータリーは取り組みを開始、フィリピンの子ども600万人にワクチンを投与した。
1985年、ポリオプラスプログラムで2億4,700万ドル(3,7000億円)の寄付集めに成功。WHOはロータリーの快挙に驚いた。
1988年、世界ポリオ根絶活動(GPIE)が開始。関係団体は世界保健機関(WHO)、国連児童機関(UNICEFF)、米国疾病センター(CD)、RC、ビル&メリンダ・ゲイツ財団。
昨年2023年1月1日から12月31日までの野生型ポリオ発症数は、パキスタン6件、アフガンの6件の計12件。ポリオは99.9%撲滅し、残り0.1%。問題は紛争、貧困、宗教。

観光まちづくり委員会:萩原委員


こくぶんじ観光まちづくり協会が、毎年桜のライトアップをしています。国分寺をPRする魅力的な事業なので、チラシをお配りしました。ぜひ散歩に来ていただければと思います。

出席報告:伊東委員

会員数:44名 免除:4名 メーキャップ済:3名 欠席:7名 出席率:82.5%

ニコニコボックス:伊東委員


岡田会長・小林幹事:本日は多摩信用金庫専務理事 齊藤裕之様、お忙しい中お越しいただきまして誠にありがとうございます。卓話楽しみにしております。花粉が多くなってきていますが、花粉症の方はご自愛くださいませ。岡田会長:個人ごとではございますが、第24回三多摩地区シニア男子OVER50サッカー大会で優勝しました。50になってから優勝、優勝、準優勝、優勝とニコニコなので、ニコニコします。近藤会員:前回の例会で、ガバナーとガバナー補佐からお祝いをもらいました。感謝してニコニコです。井口会員:PETS(次年度会長セミナー)に参加し、卒業証書を頂きました^▽^ ニコニコいたします。萩原会員:昨年帰国した清瀬さんより嬉しい報告がありましたので共有します。この度、北海道にある帯広畜産大学に進学が決定したそうです。OBとして交換留学生が活躍してくれることは本当に嬉しく思いニコニコします。清田さんも頑張ってネ!!森会員:先週、後楽園ホールにて私が応援しているボクシングジムのライオンズジムの2人が、日本チャンピオンの防衛に成功しました。ニコニコです。大出会員:先週は拙い司会申し訳ありませんでした。次回はしっかりとやらせていただきます。

記念ニコニコ:(写真左より)土井会員、大髙会員、萩原会員、中村琢次会員、谷口会員、藤岡会員、荒井会員、伊東会員、照木会員、松田会員、井口会員

卓話

特殊詐欺被害の現状について

・多摩信用金庫 専務理事  齊藤 裕之 様


東京立川RCで職業奉仕員委員会に所属しており、現在いろいろなRCを回っております。地域に影響力のある皆様も一緒になり、犯罪を防いでいただけるとありがたいです。ぜひお力をお貸しください。
私の経歴ですが、昭和59年4月に多摩中央信用金庫に入庫、国分寺支店に配属されました。その後、複数の支店長や本店長を経験し、平成28年に監査室長委嘱監査室を担当。令和3年10月にガバナンス本部長となり監査室、リスク管理室、金融犯罪・マネロン対策室を担当しております。
それでは本題に入ります。警視庁が発表した2023年の特殊詐欺被害による被害総額は19,033件で441億、クレジットカード不正利用は402億円です。なかでもオレオレ詐欺や架空請求詐欺が多いのが現状です。毎年1兆円規模のお金が犯罪組織に流れています。
たましんで発生した特殊詐欺の事例をお話しいたします。
(1)投資詐欺の事例
現在多いのが投資詐欺です。被害者は法人代表者で、無料通信アプリ「LINE」グループに勝手に追加されたことで今回の投資先を知りました。「LINE」では電話番号で検索してアカウントを追加することができ、手当たり次第に電話番号検索して本グループに追加したものと思料します。グループの中に投資に関する著名人の名前があり、運転免許証の提示を求めたところ、画像の返信があったため信用してしまいました。はじめに個人の投資として200,000円を振り込んだところ、217,121円となって戻ってきたので信じ込み、以降、大口の金額を振り込んでいきました。このように投資詐欺やロマンス詐欺は長い時間をかけて信用を得て、金額を大きくしていくのが手口です。
(2)オレオレ詐欺の事例
オレオレ詐欺は今は劇場型といって、息子役、上司役、上司の子ども役、医者役などチームで詐欺を行います。まず自宅固定電話に、息子役より「会社のカバンを置き忘れ、現金を早急に工面する必要がある。自宅へ上司の子どもが行くので、現金を渡してほしい」と言われ、登場人物から次々と電話が来て信じてしまい、95万円を渡してしまいました。犯人はよく「誰にも言うな」と言いますが、この方の場合は娘さんに相談していて、翌日は自宅に来ていました。その後、犯人との電話で「娘へ相談した」と言った瞬間、電話が切れたそうです。
(3)サポート詐欺の事例
パソコンを開くと「ウイルスに感染した」とのメッセージが表示されるものです。実際の事例では、画面に従い電話連絡すると指示通りにパソコンを操作するよう言われ、ワンタイムパスワードを教えてしまいました。その後、たましんに問い合わせると、身に覚えのない出金が確認されました。この現象は実際にたましんでもありましたが、一人ではパニックになると思います。落ち着いてメーカーや専門家に相談してください。
(4)カード詐取・盗難の事例
○○デパートから「あなたのカードが不正に使われました。補償が受けられますのでこれから伝える銀行協会の電話番号に電話をしてください。」と連絡がありました。銀行協会に電話すると、すぐに銀行協会を名乗る者が訪問し、電話相手と訪問者の話を信用してしまいました。新しいカードが送られてくるまでカードを封筒に入れ、封筒に割印をするように指示されて印鑑を取りに行く間、封筒をすり替えられました。カードが入った(と思っている)封筒があるので安心していましたが、犯人はすぐにコンビニで預金を限度額まで出金。翌日、たましんのシステムに不審な出金が検知され、電話確認したことで被害が発覚しました。金曜~月曜までの間、限度額を4回おろされてしまいました。
(5)SNSに口座番号を公開してしまった事例
お子さまも知らない間に犯罪者にさせられてしまう、大変危険な問題です。「振り込め詐欺犯」は、SNSで『当選者にお金を配ります』という「お金配り投稿」をし、「振り込め詐欺」で利用するための銀行口座を聞き出します。まず口座を教えてくれた「受け子役」を信用させるため、現金を振り込みます。そして、詐欺グループは高齢者を騙してその口座に振り込ませると、「受け子役」はお金がもらえたと思い込みます。口座に少額を残して別の口座に振り込ませ、詐欺グループは盗んだ金を回収します。その後、もし逮捕されなかった場合は詐欺グループから脅され、犯罪者の手下にされてしまいます。
(6)騙されて口座を詐欺グループに渡してしまった事例
ネットで「キャッシュカードを送付すれば、お金が受け取れる」というサイトを見て、キャッシュカードを送付してしまいました。他の銀行に口座不正利用を通告され、すぐに警察に相談。口座を確認すると、本人に覚えの無い振込入金があり、直後に引き出されていました。
(7)自らの口座が犯罪に悪用されてしまった事例
某法律事務所より、振り込め詐欺等不正請求口座情報提供及び要請書(投資詐欺)が到達。当該口座取引は、数十万円の振込入金が複数あり、全てゆうちょ銀行の「○○○○」へ送金されていました。本人に来店していただき事情を確認したところ、「出会い系サイトで知り合った女性からの指示に従い、自己の口座へ振り込まれてきたお金を繰り返し送金していた」とのことです。
次にクレジットカードの不正利用についてです。近年、様々な手口によるクレジットカードの不正利用も発生しています。「クレジットマスター」もその一つで、カードをほとんど利用していない人でも被害に遭う可能性があります(家にずっと置いたままにしているカードや、契約してから一度も使ったことがないカードも攻撃の対象になります)。対応策は、①利用明細をこまめにチェックし、身に覚えのない取引がないか確認すること、②不正利用があった場合は、各クレジットカード発行会社へ連絡してください。過去に発生した被害の一例ですが、マレーシアにあるタクシー会社のチケットが不正に購入されたり、韓国に本社を置くオンラインゲーム運営会社に不正に課金される被害がありました。
地域全体で被害防止を進めていくためのご協力のお願いです。ATMコーナーで携帯電話を使用し操作中の人を見かけた方は、110番通報のご協力をお願いします。被害防止となった場合、協力者に記念品を贈呈しています。対象者は、当金庫 ATMコーナーで起きた事象に対する通報の協力者、被害の未然防止に該当(警察署が判断)した場合、当金庫とのお取引有無に関わらず対象となります。
また、警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページでは、詐欺の手口を動画にして配信しています。皆さまだけでなく、高齢のご家族が被害に遭う可能性、お子さまが騙されて闇バイトと知らず加害者にさせられる場合があり、特殊詐欺はすぐ身近で起きています。ご家族を守るため、自宅のパソコンやスマートフォンで、動画を一緒に視聴し、話題にしてください。ご家族のお友達にも是非視聴をお勧めいただき、多摩地域全体に被害防止の輪を広げていきましょう。
警察庁が公開している『事例集「犯罪実行者募集の実態」について』に、特殊詐欺被害者の声が掲載されています。そこには犯罪の手口と、「大切な人を思う気持ちを逆手に取り踏みにじる、特殊詐欺という犯罪を許すことはできません。」とお気持ちが書かれています。また、被害に遭った結果、思い悩み死を選ぶ悲惨な現実もあります。
NPO法人「自殺防止ネットワーク風(かぜ)」代表で、自殺に関する相談を30年以上受けている篠原鋭一氏は次のように話しています。「特殊詐欺に関する相談の多くは、被害者であるにもかかわらず、財産をだまし取られたことを家族等から責められ、時には無視や差別されるなど、周囲から孤立した結果、死を選ぶという悲惨なものである。被害者が自殺した後、遺族が責任を感じ、後追い自殺した例もある。特殊詐欺の被害に遭ったことにより、二次、三次被害として被害者や遺族を死に追いやっていることから、いわば間接的殺人とも言える。被害者は高齢者が多く、家族の役に立ちたい、我が子、孫を救いたいとの優しい思いから被害に遭っている。自責の念に苦しむ被害者に、悪いのはあなたではなく犯人であるということを、家族も周りの人々も受入れ、社会全体が連帯責任と受け止めて被害者を支える体制をつくることが大切だ。」
最後に、多くの方に広めていただきたいことは2つです。大前提として、犯人が最初の接触に使うのは「固定電話」であることです。かかってきた電話は一度切って、自分で相手の名乗る会社・病院・警察の電話番号を調べて電話してください。また、「電話での会話でお金の話がでたら詐欺」です。他人がキャッシュカードを預かることや、暗証番号を聞いてきたら詐欺であり、ATMを操作してお金が戻ることはありません。
SNSや電話は会ったことのない人を信用させてしまいます。みんな誰かを助けたい一心で行動してしまうからです。被害者を増やさないよう、皆様も周知活動にご協力いただければと思います。金融犯罪全般に関するご質問・お問い合わせや地域会合での講演・周知活動等、何なりと最寄りのたましんへお申し付けください。ご清聴ありがとうございました。