東京国分寺ロータリークラブ
多摩中グループ 国際ロータリー第2750地区

第2692回 例会報告(4月9日)

2024年4月12日

第2692回(4月9日)

場所:多摩信用金庫国分寺支店3階

司会:谷口SAA委員

お客様紹介:岡田会長

高野 巌 様(卓話講師)

会長の時間:岡田会長


お客様のご紹介を行わせていただきます。本日の例会で卓話の講師をお願いしております高野巌様、本日はご来会賜りありがとうございます。会を代表して厚く御礼申し上げます。
本日の例会は高野様による「出雲神話と邪馬台国」です。通常であれば、会長の時間で卓話のテーマに寄せたお話をさせていただいておりますが、今回のテーマでお話は私には難しいので、しっかりと卓話にて勉強させていただきたいと思っております。
4月に入り、先週は桜もまだつぼみでしたが、日曜日にサッカーの試合が三鷹の大沢グランドでありました。向かう途中で道路の両脇に満開となった桜を見て、春が来たなと改めて感じることができました。日曜日は久々の晴れの天気だったため、どこへ向かうにも人出は多く、道は混んでいて、所々で花見をしている方々を見かけることができました。満開の桜を見ている方々は、どなたも皆優しい顔で花見を楽しまれていました。私自身は花見を行っていないのですが、桜の花を見て、気持ち穏やかに新たな年度の始まりを感じることができました。
会員の皆様も新年度を迎え、様々な変化を迎えていらっしゃることと思います。私の会社でも新たな社員を迎え、会社内に活気が出てきたように思います。先輩社員は新入社員に対して仕事を教えることにより、教えることの難しさや、伝え方によって相手の受け取り方が違うことを学ぶことができたり、新入社員のやる気に感化され、今までの仕事への取り組み方にも変化が出てきたようにも見えました。
新たな環境に飛び込み、一から勉強し、一人前になるために様々なことを吸収しなければならない新入社員は、大変な努力と根気が必要ですが、先輩社員も自分の仕事や会社内のルール、仕事への取り組み方の一つ一つを言語化して説明することで、改めて理解を深めたり、慣れにより忘れがちだった大切な基本を思い出したりすることができ、相乗効果が生まれる良い変化となったように思いました。
自分の会社を例に出してお話ししましたが、このような変化はどのような会や組織でも同じことが言えるのかなと思いました。特に生涯現役のRCの活動においては、長く継続的に同じことを続けている部分も多く、慣れてしまうことによる慢性化や、飽きてしまうことがあるようにも思います。
次年度の準備理事会も始まり、RCにおける新年度も動き出しました。新会員を迎えることによる環境の変化はもちろんですが、このタイミングで自分自身の緩みを正す、良い機会を迎えたと思いました。
自分自身を見つめなおし、東京国分寺RCの会員となった時の新鮮な気持ちを思い返して、また新たな年度へ対するやる気と期待を持ち直して、緩みなく、あと8回の例会も楽しみながら、活動していこうと思っております。会員の皆様もぜひ同じ気持ちで例会に参加いただけることをお願い申し上げ、会長の時間とさせていただきます。

表彰式

ロータリー財団認証状授与 : 照木委員長

ベネファクター : 岡田会長

ポールハリスフェロー : 小林幹事、清水会員

マルチプルポールハリスフェロー : 小川会員

幹事報告:小林幹事


本日は講師の高野巌様に「出雲神話と邪馬台国」という内容で卓話をしていただきます。楽しみにしておりますのでよろしくお願いいたします。
来週16日は3クラブ夜間合同例会です。
主な行事予定としまして、15日に2024-25年度地区研修協議会に会長エレクト、副幹事が出席いたします。
17日に東京昭島中央RC創立35周年記念式典があります。
19日にIM実行委員会に鈴木会員が出席いたします。

委員会報告

米山奨学・国際奉仕・クラブ特別基金委員会:照木委員長


4月は環境月間です。2月6日(火)、お茶の水ソラシティーで、2023-24年度第2回地区ロータリー財団セミナーが開催され、環境に関する報告がありました。
2020年9月に「環境」が重点分野となり、2021年7月に環境グローバル補助金申請がスタート。環境問題とは人類の様々な活動が原因で引き起こされ、環境変化に伴って生じる問題の総称。大きく5に分類されます。
①地球温暖化(オゾン層の破壊)
②森林破壊(砂漠化)
③海洋汚染(プラスチックごみ)
④水質汚染
⑤大気汚染
【地球温暖化が原因の問題】
(1)沈みゆく国々
①モルディブ諸島、チャゴス諸島(インド半島南西沖)
②マーシャル諸島、ツバル、キリバス(オーストラリアとハワイの中間で赤道の北
③カリブ海のバハマ
④ツバル
人口1,100万人の世界で4番目に小さな国。
サンゴ礁の地盤沈下、主食タロイモの収穫量減、井戸水に海水が侵入。
(2)インド
①2022年3月 北インドの熱波で干ばつ
②2022年5月 インド、アッサムの洪水
(3)パキスタン
①2022年6月 モンスーンで例年以上の降雨
②国土の1/3が水没。1,200人死亡、3,300万人が被災。50万人以上が救援キャンプにいます。
【気候変動により世界の貧困が更に深刻化し、紛争が勃発する恐れ】
(1)日本、世界のロータリーの取り組み
①井戸を掘り、安全な水の供給
②植林
③絶滅危惧種の保全と保護
④食料廃棄物の削減
⑤環境保全
(2)個人でできる取り組み
 ①食品ロスを減らす
 ②リサイクルと分別
 ③プラスチックの使用減
 ④照明をLEDへ
 ⑤環境問題に取り組んでいる企業を応援し、商品、サービスを選ぶ
 ⑥家具、家電のメンテナンス、修理で長く使用
当クラブも環境に対してどのような取り組みができるか検討することが必要です。

出席報告:野池委員

会員数:42名 免除:4名 メーキャップ済:3名 欠席:4名 出席率:89.47%

ニコニコボックス:野池委員


岡田会長・小林幹事:桜が綺麗な春の季節、新しい始まりや希望に満ちた気持ちになります。本日は高野巌様の卓話楽しみにしています。宜しくお願いいたします。井口会員・清水会員:本日、次年度準備理事会を開催できました。ありがとうございます。ニコニコいたします。馬場会員:本日の卓話講師は高野巌さんと申しますが、私の学生時代の野球のチームメイトというご縁でお越しいただきました。昨年には、日本古代史の解明等の書籍を出版されており、本日は日本のルーツ、古代史の謎等、興味深い卓話を楽しみにしてニコニコします。藤岡会員:誕生日のお花、ありがとうございます。今年は誕生日に満開の桜を愛でながら、楽しい時間にニコニコします。

卓話

出雲神話と邪馬台国

高野 巌 様


日本の「国家形成のあけぼの」の歴史の流れの解明は、専門家のみならず古代史愛好家たちの強い興味を引き、関連書物が多数発行されています。例えば次の課題などです。
・出雲神話に含まれる史実
・倭国樹立の経緯
・倭国大乱の原因
・邪馬台国と狗奴国の場所
・邪馬台国、狗奴国とヤマト政権の関係
しかし、信頼に足る文献や考古学的資料の絶対数が圧倒的に少ないために、新井白石や本居宣長の時代から多くの議論が戦わされているにもかかわらず、現在でもほとんど定説に至っていないのが実情です。関連資料である日本書紀、古事記、出雲国風土記や中国の史書などを何度読み返しても、解明は不可能であることを歴史が証明しています。
私は技術者なので、当時の基幹産業である物資輸送技術、製鉄技術の状況という視点を加えることにより、上記課題の解明というよりは「謎解き」にチャレンジしました。
本卓話ではその結果としての私なりの結論、仮説をお話しさせていただきます。もちろん、私の結論、仮説は模範解答でもなければ、正解でもないことを承知の上でご紹介いたします。
はじめに、愚かな人間の悲しいさがですが、広い支配領域を獲得すると、より広い地域の支配を欲するようになります。そして、野心家と新規技術により強力な勢力が誕生していきます。現在も続いているウクライナの戦争ですが、なぜ戦争が起こってしまうのかも歴史から考察していきます。
縄文時代の生活では動植物を獲得する生活をしていましたが、弥生時代には水田耕作が始まり安定した食料を確保し、倉庫での保管もしていました。すると集落に格差が生まれ、豊かな集落が小さな集落を吸収していきました。このような流れから、集落⇒ムラ⇒クニ⇒国⇒統一国家が樹立されました。
日本列島内で成り立った最初の勢力は出雲勢力であると考えます。出雲は出土品や遺跡がないと言われていましたが、荒神谷遺跡(出雲)より銅剣、加茂岩倉遺跡(出雲)より銅鐸というように、数多くのものが出土しました。これらの情報から、出雲に巨大な勢力が存在した可能性が考察できます。
まず、スサノオが出雲に降臨し、出雲の立地を利用しながら勢力を強めていったと考えられます。これは先ほどの出土品の分布より、紀元前110年頃と思われます。また、瀬戸内海は航海が困難のため、朝鮮半島から伝播された新しい文明・技術は、日本海の沿岸に沿って東に伝わりました。そのため、当時は北九州の文化が特に進んでいましたが、日本海沿岸にも一つの文化圏が形成されていました。
その後は出雲勢力に野心家が出現し、国引き神話にあるように、日本海沿岸文化圏の盟主へと上り詰めました。こちらは紀元0年頃になるかと思われます。その後、107年頃に倭国が樹立されたと考えます。
出雲勢力の成長の背景には、水運基地としての恵まれた立地だけでなく、水田開発や、樹木を切るための鉄技術の進歩があると思います。
国引き神話では、私ははじめのうちは、八雲立つ出雲の国は幼くて小さな国という印象を受けていました。新羅の三埼(朝鮮半島の国)、都都の三埼(珠洲岬)などを引き寄せて島根半島とし、これらの地域と交易をして豊かになったのだと思っていました。しかし、交易によってではなく、倭国の大きな勢力がこれらの地域を支配下にし、出雲が日本海沿岸の盟主なったと考えています。
次に国生み神話についてです。国生み神話には、まず淡路島が出てきて、大日本豊秋津州(ヤマト)、伊予の二名州(四国)、筑紫州(北部九州)、隠岐州、佐渡州、越州、大州、吉備子州が生まれたと書いてありますが、出雲が生まれたとは書かれていません。このことから、私の解釈ではこの国生み神話の影の主語は出雲であり、出雲がこれらの国を生んだと考えます。
そして、淡路島には日本列島最大級の製鉄集落がありました。製鉄には莫大な材木が必要なので、丘の上で材木が入手しやすい所に建てられました。未開拓の土地を支配下にするためには、開拓するための鉄製品が必要であり、そのためには製鉄技術が必要です。そこで、出雲から作って運ぶのではなく、朝鮮半島から鉄の素材を持ってきて、淡路島で作ったのだと思います。製鉄所は軍隊が守っているはずなので、敵の襲撃をいち早く知るためにも小高い丘が適していたようです。
出雲王には3つの顔がありました。出雲王(紀元前 110年頃~)、日本海沿岸文化圏の盟主(紀元0年頃~)として北部九州侵攻(57年頃。伊都国とアライアンスを組んだ)、倭国王(男王;107年頃~175年頃まで)を兼ねていました。
 倭国に台頭する勢力は狗奴国でした。天日槍(新規技術)伝播によって狗奴国は強化され、琵琶湖東南岸、野洲川流域は繁栄しました。そして後に倭国大乱(175~185年頃)が起こりました。倭国とは邪馬台(ヤマト)国のことです。
邪馬台国の時代はというと、三国志の英雄曹操や劉備、諸葛孔明と同時代です。卑弥呼は長命で、彼らが生まれる前から死ぬまで生きていました。三国志までとはいいませんが、日本国内でもダイナミックなことが起きていたのです。
以上が私の考察となります。ご清聴ありがとうございました。